株価と民意 2020 11 8

 アメリカの大統領選挙が終わって、
株価と民意には、思惑が大きく違っているという心配があり、
それが、また、アメリカの分断を深める懸念があります。
 日経平均株価は、11月6日に、
「29年ぶりにバブル崩壊後の最高値を更新した」と報道されました。
日本の株価は、アメリカの株価に連動しやすいと言われます。
 アメリカのダウ平均株価は、11月2日(現地日付)から急上昇を始めました。
日経平均株価も、連動する形で高騰しています。
 その理由は、バイデン政権になれば、
大規模な経済対策が実施されるというものです。
 しかし、それだけではないと思います。
トランプ大統領は、「アメリカに工場を戻せ」というのが持論です。
 しかし、これは、投資家や経営者から見れば、
「国際競争の厳しい時代に、無茶な話だ。
これでは、アメリカ企業は、国際競争に負けてしまう。
アメリカでは、人件費が高すぎる」と思っていたでしょう。
 しかし、今回の選挙では、民主党のバイデン氏が優勢と伝えられたので、
それを好感して、株価は上昇を始めたと考えることができます。
 民主党は、国際協調を主張しているでしょう。
国際協調と自由貿易は、表裏一体の関係にあります。
同盟国に国際協調を呼びかけながら、保護貿易はできません。
つまり、国際協調を主張するからには、自由貿易を推進する必要があります。
 そうなると、日本や欧州の貿易産業は儲かります。
もちろん、アメリカのグローバル企業も儲かります。
 だからこそ、日米の株価は、急騰したのです。
このような仕組みをアメリカ国民は理解しているでしょうか。
 さて、こうした株価の動きを民主党の左派や急進派は許せないでしょう。
日本人には、左派や急進派と言っても、わかりにくいかと思います。
日本の政治感覚で言えば、左派や急進派は社会党に近いでしょう。
 多くのメディアは、トランプ対バイデンの戦いと伝えていますが、
私は、本当の主役は、サンダース氏であると何度か書きました。
 前回の選挙では、サンダース氏は、党内で、ヒラリー・クリントン氏と戦いましたが、
今回の選挙では、そういう戦いをやめて、
バイデン氏をコントロールする戦略に切り替えたと思われます。












































































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